ほくろは「母斑細胞」という細胞が増殖して生じる皮膚の良性の腫瘍です。
子供のときから生じているものは心配ありませんが、小さくなることはなく、次第に大きくなっていきます。
急速に大きくなったり、いつも傷が出来ていて治らなかったり、形・色調が変化している場合は、皮膚癌との区別が必要なため、早めの受診をお勧めします。皮膚癌は肉眼で見えるのです。
Q. 足の裏にほくろができると、癌と聞いた時がありますが本当ですか?
A. 日本人の場合、およそ100人に1人は足の裏にほくろがあると言われています。これがみんな癌ということはあり得ません。
悪性黒色腫は皮膚癌の中でも悪性度の高い病気ですので、短期間で大きくなったほくろや、見た目が他のほくろと異なって見えるほくろ、手足にあって直径が6mmを超える大きなほくろなどに関しては、一度皮膚科専門医の診断をお受けになったほうが良いでしょう。
Q. ほくろは取ったほうがいいですか?
A. ほくろは誰にでもあるものですので、悪性黒色腫(メラノーマ:ほくろの癌)が疑われる場合を除いて、取る必要はありません。
悪性黒色腫の疑いが強い場合には、大きな病院で検査や治療を受けることをお勧めします。悪性黒色腫の疑いが強いわけではないが、否定もできない場合には、病理組織診断を行うために手術でほくろを摘出するか、もしくは定期的(数ヶ月ごとに)に経過観察のために来院して頂きます。
Q. ほくろの治療は痛いですか?
A. 治療法によって痛みの程度は異なりますが、強い痛みはありません。
Q. ほくろを手術で取った後は、通院が必要ですか?
A. 手術の翌日に出血が止まっていて問題がないことの確認をします。次に、傷口を糸で縫った場合には抜糸の時(目安として、顔面では5〜6日後、手掌や足底では10〜14日後、その他の部分は7〜10日後)に来院して頂きます。 その後は、1ヶ月目と3ヶ月目頃に、傷痕がきれいになっていることの確認をいたします。
以上が、一般的な手術での術後通院スケジュールになります。実際にはケースバイケースですので、これ以上に通院が必要になる場合もあります。