院長ブログ

広すぎる二重幅の他院修正手術 <二重幅を狭くする2>

池本形成外科・美容外科では開院以来「目元の修正手術」についての診療に力を入れています。

2015年3月3日、私が自分のクリニックを開院するにあたって、自分の知識とスキルで社会貢献したい!」という強い思いが有りました。

私は大学病院や美容クリニックで、数多くの美容外科でのトラブル症例を診て、そして先輩先生方とともに修正治療に取り組んできました。

私がこれまでの二十数年間、形成外科医・美容外科医として専門的に学んできた事、それは顔面の骨から皮膚までありとあらゆる病気、変形においてその機能形態の両方を整える事です。

昨今、医院経営の規制緩和や美容医療の参入障壁の低さなどから質の低い美容医療が横行していることは、我が国における社会的な問題の一つであると私は感じています。

この美容医療における社会問題に取り組む事こそが、私が教えていただいたAesthetic Mindを実行する好機だと思い実践している毎日です。

開院以来、遠方から(時には海外から)多くの患者様にご来院いただき、過去の美容手術の不具合やその後遺症でお困りの患者様の手助けをさせていただいております。

今後もより一層のお悩みを解決できることを目標に日々診療させていただいております。

さて昨日、二重まぶたの他院修正手術の写真提供についてご協力いただけた患者様がおりましたので供覧致します。

二重まぶたの修正手術を検討されている方の参考になればと思います。

当院は開院1年未満で皆様にご呈示できる症例写真が限られております。

このたびもご協力いただけた患者様に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

患者様のお悩みは「広すぎる二重幅を狭くしたい」というご相談でした。

過去の美容手術は1年半前に受けた切開二重1回のみです。

手術前のお目元の状態です。

広すぎる二重修正術前開瞼
広すぎる二重修正術前開瞼

二重の幅が広すぎる事でまつ毛の上に皮膚がオーバーハングして乗っかっている状態で、二重下の皮膚がぷっくりと盛り上がっています。目も開けづらく、そのための反応でまゆ毛が持ち上がってしまっています。とても眠たそうな印象を受けます。

広すぎる二重修正術前閉瞼
広すぎる二重修正術前閉瞼

目を閉じた状態で二重幅は何と、右11.5mm、左10.5mmというとんでもなく幅の広い位置に傷跡が有りました。

私の修正手術の特徴は、決まりきった手術方法にこだわって行うのではなく、患者様それぞれの希望に応じていくつもの手術方法を組み合わせて行う事です。

そして、時には過去に例のない方法を考案して形態の改善を図るというのも特徴の一つです。

目的はあくまでも仕上がりですので手術前や手術中のひらめきや発想などが柔軟に求められるのが修正手術の特徴でもあり、形成外科医が最も得意とする事の一つです。

広すぎる二重修正デザイン
広すぎる二重修正デザイン

手術時のデザインですが、やはり今回の場合は前回手術における二重幅の設定が広すぎるため皮膚切除を行う事がご希望の形態に近づける最善の方法であると考えました。

実際の手術において写真のデザインよりもプラス1.5mm多く切除していいます。

ただし、この患者様の場合は前回手術の傷跡(切除幅の上辺)からまゆ毛の下縁までの距離が比較的長く、皮膚に十分な余裕があったので思い切って切除量を多くしました。

実は二重幅を縮小する場合「皮膚切除のみの方法」では思うような結果が得られない場合が多いのが実際です。

患者様それぞれのまぶたの状態に応じて以下のような処置を加える事が有ります。

・眼輪筋を使用した再癒着防止策

・眼窩脂肪を使用した再癒着防止策

・多部位からの脂肪移植を使用した再癒着防止策

・挙筋腱膜の整復・固定・前転(短縮)

・二重作成の方法の選択

など、その他にも多くの細かいテクニックをフルに活用して、それぞれの目元の状態に応じて選択しています。

上記の「挙筋腱膜の整復」を赤字で示していますが、二重幅の広すぎる方の手術時に挙筋腱膜の解剖学的な位置異常を認める場合がとても多いのを実感しています。

過去に手術を行った医師は「知ってか知らずか?」「故意か過ちか?」…

二重幅を狭くする修正手術においてとても大切なポイントになりますのでいずれ当ブログにおいて解説したいと思っています。

広すぎる二重修正術後開瞼
広すぎる二重修正術後開瞼

手術直後の状態です。

二重幅は患者様が前回の手術で希望の二重として担当医師に呈示したお写真に合わせる様にしています。

(お写真をお借りする事が出来れば掲載も考えております)

二重幅が狭くなって目も良く開いています。

手術直後ですが腫れが非常に少ないですよね。

これについてもいつか解説したいと思いますが、手術後の腫れを少なくするためには手術後の腫れが少ない様に手術を行う必要がある

「手術後の腫れが少ない」=「ダウンタイムが短い」=「社会復帰が早い」

ですからとても重要ですね!

これも私の手術の特徴の一つです。

広すぎる二重修正術後閉瞼
広すぎる二重修正術後閉瞼

手術直後の目を閉じた状態です。

ちゃんと目を閉じる事が出来ます。

これにもテクニックと理由がありますが、またの機会に。

手術が昨日ですのでここまででおしまいです。

以後、継続的に報告させていただきます。

最後に一つ…

修正治療を考えている患者様に、誤解を恐れず申し上げます。

当院へカウンセリングにお見えになる修正手術の患者様の多くが複数のクリニックを受診されております。

心も身体も傷ついた状態で、修正先のクリニック巡りをする事は大変な苦労であると思います。

もう二度と失敗したくない!

100%の答えを見つけたい!

100%の結果を求めたい!

過去の手術の結果やその時の不誠実な担当医師の対応などで、心も身体も傷ついてしまっている方がほとんどだと思います。

そのためリスク回避的になっている心身の状態は、私自身も心が痛いほどよく理解しています。

ただし、このような100%の結果を追い求めるあまり、何を信じて良いか解らなくなり、頭の中が混乱して、一歩たりとも身動きが取れない状態になっていませんでしょうか?

美容外科手術の中でも特に「他院修正治療」は、手術前の期待値に結果が届かない事は事実認められることです。

そんな中、私が常に肝に銘じている事は

手術後の結果を真摯に受け止め

期待値に届かない点について考察し

患者様とともに改善策を考えて行く

そして、

諦めないことです。

私を選べというのでは有りません。

手術前に予期しなかった結果になったとしても、皆さんに寄り添ってその後の改善策について共に考えてくれる医師を見極めるようアドバイス致します。

修正治療をお受けになる皆さんには幸せになっていただきたいと願っています。

修正先のクリニック選びは担当医師との相性もとても大切だと思います。

どうか皆様に良い医師との出会いが有ります様に。