みなさんこんにちは。
少し前になりますが、日本美容外科学会(JSAPS)の学会参加と発表のため北海道に行って来ました。
池本形成外科・美容外科の開院以来取り組んでいる二重の修正手術・修正治療についての発表を行って来ました。発表ではとても有意義な意見交換ができたと思います。
美容外科学会で得た知見をもとに、二重修正治療のさらなるレベルアップを図りたいと考えています。
北海道の滞在期間は慌ただしいとんぼ返りの旅でしたが、前々から是非行ってみたかったある場所を見学して来ました。
みなさんご存知でしょうか?
ドラマにもなった「動物のお医者さん」の舞台になっているH大獣医学部です。
もちろん北海道大学獣医学部のことです。
獣医学部・獣医学院はとても趣のある校舎で、また併設の動物医療センターは近代的な美しい作りでした。
僕が犬だったら、ずっと入院してたくなっちゃうような美しい病院でした。
見学が平日だったこともあり、学部前の獣医学部Lawn(芝生広場)で学生たちが消防訓練やバドミントンをしていました、若々しく明るい笑い声が響いていて、学生生活をエンジョイしている姿が印象的でした。30年ほど前になりますが、自分の医学部学生時代のことを思い出して懐かしくなりました。
それにしても北海道大学はとても広くてびっくりですね!
獣医学部、銀杏並木、ポプラ並木、生協、学食、クラーク像、図書館などなど、漫画に出てくるスポットを一つ一つ堪能することが出来ました。
ちなみに医学部にはあまり興味がなかったので素通りしてしまいました。
さて、今回は二重修正治療の中でも最も難度が高い「幅広平行二重を幅狭末広二重に修正する手術」です。
最近は同様のお悩みで二重修正を希望される患者様から多くのご相談をいただいております。
- 希望と大幅に違う幅広平行二重になってしまった
- 若い時に幅広平行二重にしたが、年齢的に似合わなくなり、もう少し落ち着いた二重にしい
- 気分転換
など、動機は様々です。
ちなみに、二重修正手術の中で私が難度の高いと思っている手術は以下の3つです。
- 二重幅を狭くする手術(幅狭修正)
- 平行二重を末広二重にする手術(末広化修正)
- 目の開き過ぎ(専門的には過開瞼と言います)を開かなくする手術(過開瞼修正)
二重修正手術解説のために今回ご協力いただいた患者様は、過去の手術で意味もなく眼瞼下垂の手術が行われているため、目が開き過ぎて(過開瞼)しまっており「目の開き過ぎの改善(過開瞼修正)」も希望されていましたので、上記3つのお悩みを改善する必要がある「トリプル難しい手術」な訳です。
今回の患者様も、意にそぐわないかたちで幅広平行二重+開きすぎになり、日常生活に師匠を気圧ようになってしまい、二重の改善を希望されました。
同じような悩みを抱えているブログ読者の方のために、お写真の提示をご希望されまして、いつもながら大変感謝しております。
ありがとうございました。
さて、症例の紹介および手術の解説を行います。
前医手術後、当院修正前の状態です。
このような、はっきりと食い込んだ幅広めの平行二重を希望される方も多いと思います。それぞれの方の好み次第ですが、希望の二重については術前に担当医との綿密な打ち合わせが重要だと痛感します。
当院では患者様のご希望を詳しく確認するために、理想の二重のモデルや芸能人等の写真をお持ちいただくことを推奨しております。
まず、二重修正手術後の結果をご覧いただきます。
二重幅は幅の広い二重が幅の狭い二重に改善しています。
広めのしっかりした平行二重が、自然な末広二重になりました。
同時に目の開き過ぎ(過開瞼)の改善も得られています。
目を開いた状態では平行二重作成による目頭側の傷跡が露出していますがあまり目立ちません。
ところが、目を閉じた状態では傷跡はガタガタしており、比較的目立つ傷跡になっています。
実は、この術後の結果に至るまでに、合計3回の二重修正手術を要しました。
右は3回、左は2回の二重修正手術を行っています。
提示した写真は右3回目修正手術後1ヶ月、左2回目修正手術後4ヶ月の状態です。
目を開いた時の右目尻の腫れや、目を閉じた時の傷跡が右でより目立つのは、手術回数が多いことや手術後の経過が短いことが影響しています。
もっと術後の時間が経過することで傷跡はさらに目立ちにくくなることが期待できます。
ではなぜ、複数回の二重修正手術を必要となったかをご説明いたします。
当院での第1回目の二重修正手術のデザインを示します。
二重幅を狭くするためには二重よりもまつげ側の皮膚切除を行いました。
実は二重修正治療後のご相談で「二重幅を狭くするために皮膚切除を行なったが狭くならなかった」というご相談をよくお受けします。
私は皮膚切除のみでは二重幅は狭くならないことが多いと感じています。
実は理論上当たり前のことで、二重のメカニズム自体を修正しないと幅はそれほど狭くならないということをご来院された患者様にはよくご説明しております。
詳しくお知りになりたい方は、カウンセリングでご説明いたしますので、遠慮なく質問してください。
平行二重を末広二重に修正(末広化)するためには脂肪移植を行いました。
平行二重のための目頭側の強い食い込みや凹みは脂肪を移植することで改善して傷跡が目立たなくなることが多いので一石二鳥の有用な方法だと思います。
また、目の開き過ぎ(過開瞼)の修正には挙筋腱膜の操作を行なって改善を測っています。
手術直後の状態です。
二重幅は狭くなり、平行二重が末広二重になっています。
また、目の開き過ぎも改善しています。
1回目二重修正手術後の状態を示します。
目の開き過ぎは改善していますが、二重の形はとても良い結果とは言えません。
手術前の二重ラインの食い込みが非常に強かったので、二重ラインの食い込みを弱めることに加えて、脂肪移植を行なった影響で二重の引き込み自体が緩く不安定になったことが原因だと思います。
患者様にはとても辛い時間を過ごすことを強いてしまいましたが、ご自身は修正手術前の状態よりは心が落ち着いていたようでした。
2回目の二重修正手術は二重の引き込み調節を行いました。
当院での2回目修正手術後の状態です。
目の開き過ぎの再発はありません。
左は二重幅、末広化ともに将校な形態が得られています。
右は目頭側の二重の再癒着を認めています。
そのため修正手術前ほどではありませんが、二重幅の広さや、平行二重の再発を認めます。
手術直後は問題なかったのでおそらく、傷跡が治る過程での傷跡の組織(瘢痕組織)の収縮が原因で再癒着を起こしたのだと推察しました。
二重の引き込みの調節は手術時のセッティングはもちろん可能ですが、手術後の後戻りや引き連れのため、結果に個人差がありとても難しい手技になります。
当院での3回目の手術は右内側の再癒着修正手術を行いました。
最後に当院での二重修正手術(二重幅狭小化、平行二重の末広化、開き過ぎ修正)前後状態を再びご覧いただきます。
複数回の手術が必要になったこと、手術後の経過が浅いので二重形態、傷跡などにつきまして、引き続き注意深く経過を拝見させていただく予定です。
今回ご協力いただいた患者様は、手術とダウンタイムに備えて、お仕事を退職され二重修正手術に望んでおられました。
現在は再就職へ向けて努力されており、間も無くお仕事も見つかり社会復帰間近です。
私がクリニックを始めるにあたっての目標である
- メスで心を癒す
- 平穏な日常を取り戻すお手伝いをする
- 社会復帰のお手伝いをする
ということが達成間近で、それらのお手伝いができて大変嬉しく感じています。
当院へお越し下さり本当にありがとうございました。
引き続き、お目元の状態を拝見させていただきます。