みなさま、こんばんは。
本当に久しぶりのブログ更新になってしまいました。
申し訳ありません。
カウンセリングにお見えになった患者様から、最近立て続けに「先生のブログで勇気付けられました。」というお言葉をいただき、これはブログを書かなければと思い立った次第であります。
昨年12月に東京駅(東京・日本橋・銀座エリア)にクリニックを移転したこともあり、診療が大変混み合ってご不便おかけしてしまっている状況です。
また、以前にもご紹介した通り、私が最も得意とする顔面骨の手術(顔面骨格形成、輪郭形成、頬骨リダクション、ルフォー、SSRO、セットバック、オトガイ形成、エラ削り、Vライン形成など)を新たに開始したこともあり、より一層の混雑を招いてしまております。
この写真は昨年の頭蓋顎顔面外科学会の時のスリーショットです。
頭蓋顎顔面外科学会は頭蓋骨・顔面骨をはじめとする顔のスペシャリストの集まりで、私が最も好きな学会になります。
頭蓋顎顔面外科専門医の試験もとても厳しく、私も数少ない頭蓋顎顔面外科専門医の一人です。
東京・日本橋・銀座エリアへの移転当初から顔面輪郭形成や骨格のご相談をいただいていたのですが、手術予約が現状3ヶ月待ちということもあり、この度無事池本形成外科・美容外科での顔面輪郭形成の手術を無事行いました。
顔面骨格や輪郭も他院修正のご相談が多く、今回も「他院でオトガイ形成(アゴを短くする手術)を行ったところ、四角い顔になった」というご相談でした。
専門的に見ると善意での手術法では「成るべくして成った」というところですが、当院でのトータルVライン形成をやり直すことで改善することが出来たと思います。
今回の顔面輪郭修正手術の患者様はモニターさんではありませんのでお見せすることが出来ませんが、今後も顔面骨格の手術予約を多くいただいておりますのでモニター様のご協力が得られ次第、皆様にご紹介させていただきます。
しかし、顔面骨格。輪郭の修正相談にお見えになる方の中には、専門的に見ると悲惨な状況になっている患者様もいらっしゃいました。
以前お受けになった手術によって上顎(上アゴ)の血行が悪くなってしまい修正が大変困難であったり、下顎関節頭(下アゴの関節)が亜脱臼を起こしてして盛り上がっていたりといった感じです。
形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)・頭蓋顎顔面外科専門医として、私にしか出来ない顔面輪郭・骨格の修正手術について積極的に取り組んでいきたいと考えております。
さて、前置きが大変長くなりましたが、今回も切開二重修正治療についてご紹介いたします。
ぱっちりした目元になりたくて全切開二重を受けたはずなのに?
こんなはずじゃ無かった!
思いもよらない「眠たそうな二重」になってしまった方をご紹介いたします。
同様のご経験のある方は参考にしていただければと思います。
当院での修正手術前は自宅にほぼ引きこもった生活を送られていたようですが、先日治療が終了して無事社会復帰することが出来ました。
社会復帰のお手伝いができたことに大変喜びを感じておりますし、ご協力いただいた患者様にとても感謝しております。
ありがとうございました。
他院で全切開二重手術を受けたところ、このような状態になったそうです。
広すぎる二重幅、きつい食い込み、半開きのまぶた、眠たそうな目元を認めています。
前医での術後半年の時点での写真のため二重切開部の傷跡がまだ目立っています。
上を向いたいただくと二重の食い込みは眼球に沿って奥深くに入り込み、まつげに多量の皮膚が覆いかぶさっています。
目の開きも悪く、つっぱり感や眼球の圧迫感を自覚されています。
下を向いていただくと目立つ傷跡と食い込みを認めます。
傷跡のすぐ下の部分が若干凹んで、まつげの上の皮膚がぷっくり膨らむのが同様の切開二重手術をお受けになった患者様の特徴的所見です。
前医での二重整形手術では、手術直後からまぶたがものすごく腫れて、希望した二重幅よりも異常に広すぎる二重になっていたそうです。
あまりの腫れに驚いたそうで、「手術後の腫れが引けば希望の二重になるはず」と自分に言い聞かせて不安な日々を過ごしたそうです。
ところが2週間経っても、1ヶ月経っても腫れが一向に引かないため心配になり、二重手術を受けたクリニックに問い合わせたところ、
「半年待てば腫れが引いて希望の二重になります」
との回答を聞いて、半年もの間、外出を控えてじっと我慢していたとのことです。
来る日も来る日も、手術前の自撮りの写メと現在の自分の目元を見比べる日々が続いていたようでした。
二重整形手術から半年が経過した時、一向に改善しないご自身の幅の広すぎる二重まぶた、眠そうな目元を見て、「二重整形手術は失敗だったのではないか?」と確信に至り、当院にご相談にお見えになりました。
さて、ではなぜ?、このような二重になってしまうのでしょうか?
同様のお悩みを抱える患者様の二重修正手術を行わせていただく中で、内部の所見に共通した特徴があり、切開二重の作り方(つまり手術方法)に問題があることがわかりました。
誤った位置に配置されているまぶたの組織を正しい位置に再配置するとともに、生まれつきの二重と同じメカニズムに変更することで切開二重後の修正手術を行っております。
今回の患者様の場合、過去の切開二重手術の失敗が影響して、二重修正手術の結果に対する不安は尋常ではなく、当院のカウンセリングにも何度もお越しいただきました。
その都度、現在のまぶたの状態や修正手術方法について丁寧にご説明し、不安を取り除いてあげることに注力しました。
丁寧な説明を繰り返し行うことでようやく私に対しても心を開いていただき、二重修正手術に踏み切る決心をしていただきました。
そう言えば、医師になって1年目の時に先輩から、「患者様の苦しみは、自分の家族が苦しんでいると思って接しなさい」と教えを受けたことをあらためて思い起こします。
さて、初回修正手術直後の状態です。
初回?というのは、さすがに重症なケースであったため、再癒着等に難渋して複数回の修正治療を要しました。
二重幅は狭くなり、目に開きも良くなり、眠そうな印象は改善しております。
目をとした状態で、閉瞼障害(目が閉じなくなってしまう症状)は認めず、傷跡は1本のままでは。
皮膚切除を要する場合は切開が目尻側に長くなってしまうことがデメリットの一つですが、傷跡が1本というのがメリットになります。
上を向いても以前のような眼球に沿った強い食い込みは認めません。
まつげの上のぷっくり腫れた皮膚も改善されています。
その後、目頭側の二重食い込みの再癒着を認め、少量の脂肪移植などを行いました。
初回修正後から引きこもり状態から抜け出して、普通に外出ができるようになったそうです。
昨年末に最終診察を行い、以下その際の所見です。
目頭側のまつげ上皮膚のだぶつきが残存しておりexcellentな結果ではないかもしれません。
前医での全切開手術後の悲惨な状態を考えるとよく改善した方とも言えるかもしれません。
これ以上の修正のご希望がなく、無事に社会復帰を果たしているとのことで治療終了といたしました。
目を閉じた所見です。
数回の手術を行ったにも関わらず、比較的綺麗な傷跡です。
上を向いた状態です。
術者としてはやはり、目頭側の皮膚のだぶつきは少しきになるところです。
下を向いた状態で、不自然な食い込み、凹凸などは認めません。
斜め45度の写真は術前のものが有りませんでしたので、術後の左右比較になります。
当院でモニターとして治療された多くの方から、「自分の写真を早くブログに載せて欲しい」との要望があります。
ご自分の目元が切開二重修正手術で改善したことにとても喜んでおられるからだと思います。
今回の患者様もそのうちのお一人です。
ブログの更新をサボりまくっているので大変申し訳なく思っております。
(でも、別の理由もありますが。。。)
二重修正相談に来られる方の中には、「切開二重で失敗する前に戻りたい」「過去の切開二重手術を無かったことにしたい」という希望がある場合があります。
しかし事実上、過去の手術をなかったことにすることや、手術前の状態(昔の自分)に戻ることはできません。
切開二重で失敗して心も体も傷ついてしまった方々に私は「少なくとも前回の手術前には憧れの二重に希望を持っていたはずなので、その希望よりももっと美しい二重になるという目標であればきっと叶うはずですよ」とアドバイス致します。
そして「綺麗になるためのお手伝いをさせていただきますので、ともに頑張りましょう」と言います。
今回の患者様にも初回カウンセリング時にこのおはなしをしたところ、再カウンセリング時にはご自身の携帯電話に保存してあった昔の写真は全て捨てたとのことでした。
思いっきりがいいですね。
ブログを書きながらこの患者様が6ヶ月間もの間引きこもっていた不安で辛い気持ちを考え、もし自分や、自分の家族が同じ立場だったらと思うととても心が痛くなってしまいました。
医師になってすぐに先輩から教わったこと、「患者さんの治療は、自分の家族を治療するつもりで行いなさい」という教え思い起こさせてくれた患者様でした。
これからの人生、お幸せに!
(たまにはクリニックに遊びに来てね 笑)