院長ブログ

当院での眼瞼下垂切開二重手術 〜挙筋操作の効用〜

みなさんこんにちは。

池本形成外科・美容外科の池本繁弘です。

夏の手術シーズンも終わり、ひと段落と思いきや、当院では年末までのスケジュールがかなり混み合っている状況で、12月に少しだけ空席がある状態です。

カウンセリングに手術に忙しい日が続いいておりますが、引き続き最高のクオリティを目指して日々手術を行っております。

カウンセリングまでの待ち時間、手術までの待ち時間が大変長く、ご迷惑おかけいたしまして申し訳ありません。

さて、先日のブログにて眼瞼下垂+切開二重手術後の結果が芳しく無い他院術後症例についての修正手術についてご紹介いたしました。

眼瞼下垂手術、開瞼増大手術、目力アップ手術など目を開く筋肉(上眼瞼挙筋)の膜(上眼瞼挙筋腱膜)の短縮・前転などの操作を伴う切開二重形成後によく認められる失敗・不具合の症状は主に以下の通りです。

  1. 開瞼(目の開き具合)の左右差
  2. 過開瞼(目の開きすぎ)
  3. 低矯正(目の開きが良くなっていない)
  4. 二重幅の左右差
  5. 二重ラインの食い込み
  6. 不自然な二重ライン

当院でも眼瞼下垂や目を大きく見せたいというご希望の患者様に対して頻繁に上眼瞼挙筋腱膜に対する開瞼操作を行っています。

なるべく上記のような切開二重後の不具合が起きないように細心の注意を払って切開二重手術を行っております。

今回は当院での開瞼操作+切開二重手術をご紹介いたします。

いつものように、症例のお写真をご提供いただいた患者様には大変感謝しております。

ありがとうございました。

今回ご紹介する患者様は以前にこのブログ「切開二重手術後の腫れ 眼瞼下垂手術後の腫れについて」でご紹介した、切開二重とともに眼瞼下垂手術(挙筋前転術)を行った患者様の長期経過についてです。

以前のブログでは二重切開+眼瞼下垂手術後7日目の抜糸時までしかご紹介できていませんでした。

その後の経過として術後 か月目までの経過を供覧するとともに、眼瞼下垂手術、開瞼増大手術、目力アップ手術など目を開く筋肉(上眼瞼挙筋)の膜(上眼瞼挙筋腱膜)の短縮・前転などの操作を適切に行った場合の開瞼の状態や経過について参考にしていただければと思います。

同時に、一つ前のブログ記事「クオリティの低さに驚かされる 〜眼瞼下垂切開二重の開きすぎ、開かな過ぎ〜」の前医術後の状態とも対比して参考にしていただければよりわかりやすいと思います。

眼瞼下垂・開瞼操作・挙筋操作・挙筋前転・挙筋短縮などの手術操作は、適切に行えば目元の印象を自然な状態で大きく帰ることができる有用な手術手技であることがわかると思います。

さて、症例の紹介ですがまずは術前の状態です。

眼瞼下垂二重術前開瞼

黒目はしっかりと見えており、一見目もよく開いているように見えますが、

眉毛が「ハ」の字に持ち上がって、おでこに細かいシワが寄っています。

目と眉の間の距離が広く、困っているような表情に見えます。

この患者様は「二重幅を少し広げたい」というご希望で来院されました。

眼瞼下垂二重術前閉瞼

手術時のデザインを示します。

眼瞼下垂切開二重手術デザイン

皮膚切除を行なうデザインです。

まつげの根元が見える綺麗な二重をつくるためには、この皮膚切除が非常に重要な手技になります。

(いずれこのブログでも解説しますね)

眼瞼下垂切開二重手術終了直後の腫れ具合

眼瞼下垂手術直後の腫れ具合です。

当院の手術では手術直後はあまり腫れません。

開瞼がアップしているのがわかりますが、腫れの強い右側の方が開きが弱く、腫れの少ない左側の方が開きが強くなっています。

腫れによる一時的な影響なので問題ありません。

眼瞼下垂術後翌日の腫れ具合

眼瞼下垂手術1日目(翌日)

手術を行なった時間帯にもよりますが、手術後24〜48時間目あたりが腫れのピークになります。

二重の上に予定外重瞼線などが出やすい時期ですが、適切な処置をしていれば一時的なもので消失することがほとんどです。

眼瞼下垂術後7日目の腫れ具合

眼瞼下垂術後7日目で抜糸を行った時の状態です。

手術後の腫れはかなり減少しています。

抜糸後からはメイクが可能になりますので、眼鏡やメイクで隠して社会復帰も可能な場合が多いです。

眼瞼下垂術後7日目閉瞼

目を閉じた状態では、まださすがに傷跡が生々しいですね。

眼瞼下垂二重術後3ヶ月開瞼

眼瞼下垂術後3ヶ月の状態です。

眉毛の位置が自然に低くなり、おでこのシワがなくなっています。

目の開き(開瞼)も良好で、術直後に認めた左右差も消失しています。

眼瞼下垂二重術後3 ヶ月閉瞼

年齢にもよりますが、眼瞼下垂や切開二重手術後3ヶ月では傷跡のに少しの赤みが残っている場合が多いです。

傷跡に一致した溝・食い込みもまだ残存しています。

眼瞼下垂術後6ヶ月開瞼

眼瞼下垂手術後6ヶ月の状態です。

目の開きも良く、ぱっちりした大きな目に変化しています。

眉毛の位置が下がり、額のシワがなくなりおでこがテカテカしています。

目と眉の距離が自然に狭くなり、若々しい印象に変わっています。

眼瞼下垂手術・挙筋前転の効果がしっかりと出ていますね。

目頭側から見える自然な二重になり、まつげの根元が見える綺麗な二重になりました。

いわゆるぷっくり二重やハム目にはなっていません。

眼瞼下垂二重術後6ヶ月閉瞼

目を閉じた状態ですが、この時期にあると傷跡の赤みはなくなり、食い込みも消失しています。

切開二重の傷跡は目立たないと思います。

眼瞼下垂二重術後6ヶ月下方視

下を向いた時や、うつむいた時の二重ラインの不自然な食い込みはありません。

当院での多い相談として、切開二重や眼瞼下垂手術後の不自然な二重の食い込みは二重形成の方法が適切でない場合が多いです。

眼瞼下垂や切開二重の手術では食い込みの少ない二重になるような方法で二重形成を行わないといけませんね。

当院では切開二重手術後の食い込みについて十分配慮した手術方法を行っております。

眼瞼下垂二重術前術後比較

眼瞼下垂手術前・手術後の開瞼の状態です。

見た目の変化は明らかで、術後はぱっちりした大きな目に変わりました。

眉毛位置、額のシワ、目元の印象について比較して見てください。

二重もまつげの根元が見える自然な二重ですね。

以上、当院での眼瞼下垂切開二重手術および術後の長期経過をご紹介いたしました。

一つ前のブログ記事「クオリティの低さに驚かされる 〜眼瞼下垂切開二重の開きすぎ、開かな過ぎ〜」と同じ、眼瞼下垂手術の術後経過です。

一つ前のブログ記事と比較してみると、眼瞼下垂手術においても初回手術が非常に重要だということがわかります。

もう一つ、全切開法での二重手術をお考えのみなさんには「手術後の腫れ」「ダウンタイム」はとても気になるところだと思います。

全切開二重手術後の腫れについては、皮膚切除量、内部組織の処理、二重引き込みの強さなどの影響を受けますが、個人差もあり一概にはどの程度と申し上げることは難しいです。

ただ一つ言えることは、

麻酔を打つ瞬間から〜術中組織の扱い方〜術後のケアまで一貫して、腫れが少なくなるように十分・細心の注意を払うことができて初めて腫れの少ない全切開二重手術が達成されると思ってください。

当院では早い方で抜糸後(約1週間)から、多くの方はは10日前後〜2週間以内で社会復帰される方が多いです。

もちろん個人差はありますので一概には言えませんが、当院での切開二重手術後のダウンタイムは、一般的な全切開二重手術後のダウンタイムに比べて短い傾向にあると思っています。

それは私が全切開二重や目元の手術を行う目標の一つに「なるべく早く社会復帰させてあげる」という思いがあるからです。

全切開二重+皮膚たるみ取り+挙筋腱膜前転術(いわゆる眼瞼下垂手術・開瞼増大手術)術後の腫れについてずいぶん前にこのブログでご紹介いたしました。

切開二重手術後の腫れ 眼瞼下垂手術後の腫れについて

今回の院長ブログでは同じ患者様の術後の長期経過についてご紹介いたしました。

全切開二重、眼瞼下垂、開瞼増大二重などを検討されている方々に参考にしていただければと思います。

手術費用:眼瞼下垂修正・切開二重修正 40万円(税別)

リスク:瘢痕、開瞼の左右差、過開瞼の残存、閉瞼障害による角膜障害、二重幅の左右差、二重幅等が希望と異なるなどのリスクがあります。